漆沢森林軌道  その2 宮城県 2007.6.3踏査

  
 漆沢森林軌道(正式名称は漆沢林道)の公式な終点はその1で紹介したU字に曲がって突き当たった場所である。これは現在入手可能な旧版地図や、米陸軍作成の地図でも同様でそれ以上の軌道は描かれていない。資料に残された総距離約6キロという情報を考えても、この地形図に描かれた終点は正確であろう。しかし、これで油断できないのが森林軌道。地図には載らなかった作業軌道が、ひっそりと山の中に今も息をひそめているかもしれない。今回は、そんな軌道跡を追う踏査の記録である。先ずは下の地図をみていただこう。



 「軌道跡A」としたのは、公式に記録として残されている軌道跡。その1で紹介した終点部である。「軌道跡B」は何かというと、昨年の踏査ではっきりしないまでも、何となく軌道のラインが読み取れる場所。これは未確定なので点線で表した。そしてその点線の終わりが、昨年の踏査で砂防堰堤工事中の為踏査を断念した場所である。今回SJ30氏の先行踏査によりその工事が終了していることが確認できたので、当然狙いはその先の未踏査区間である。いや、正確に言えばぶっちゃけSJ30氏によってレールなどの遺構は朝日沢方面一帯に発見されていたのだ。よって、「朝日沢にレールを見に行こうツアー」になっているのだが、その辺をどら氏とnumako氏にはちゃんと話していなかったので、U字ターンで終了と思っても仕方はなかった。そして、全くの手つかずが「夕日沢」に沿う軌道跡である。こちらはあるらしいという情報と、某道路地図に描かれた頼りない登山道を示す点線、これだけが頼りである。ただこの時点では、この日の内に踏査できるかは朝日沢の軌道跡がどれほどの奥行きがあるか、ということにかかっていた。


 前回踏査を断念した原因の砂防堰堤は、なるほど既に完成していて、その工事事務所のプレハブがあった場所はちょうどいい駐車場になっていた。早速その場所へ車を停め、身支度を調える。がそこでSJ30氏から、ショッキングな事を教えていただく。


 「そこにレールあるよ。」








 工エエェェ(´д`)ェェエエ工

 なんと、その場所は昨年引き返した場所から20m程行った場所であった。

 工事さえやっていなければ、とっくの昔にクリアして、ボツネタ2本分の燃料になることもなかったのに…と思いつつ。はくちょう氏としばし呆然となる(笑

 が砂防堰堤工事によるダメージは大きく、その周辺は一部の石垣を残し、地形自体が変わってしまっていた。







 SJトマホーク&SJソードをフル装備(熊が出ても平気)のSJ30氏を先頭に、とりあえずは先を急ぐ。ある程度は中身がわかっていたので、あとは細かいところを拾っていくだけである。
 山道とはいえ軌道跡だから平坦だし身体にも無理をさせなくていいな。この時はこんなことを思いながら、全員まだ余裕があったのだが。












 しばらくは軌道跡なんだか山菜採りの人が踏み固めた轍なのか、よくわからない細道を登っていく。が、すぐに変化は現れる。

















 石垣を積んだ築堤が、ゆるやかなカーブを描きながら緑一色の山中へとひたすら続いていた。これはかなり本格的な軌道跡である。
 この築堤あたりで、山菜採道と軌道道が分かれて、当然我々はこの築堤の上を進んでいく。














 とはいえ路盤以上の遺構は未だに出現していない。途中小沢を渡る橋台もあるが、目的はそこにはない。

















 下を見ながら歩いていると、ようやく本命の遺構が出現。枕木である。スタート地点からは15分ほど来ただろうか?ようやく鉄道らしい遺構が出てきた。この先、枕木は随所に出現する。ほとんどは枕木のみであるが、中には犬釘付きのものも残っている。














 さて比較的順調に800m程進んだであろうか。この辺から路盤跡の崩落が酷くなる。
 路盤そのものが崩れていたり、もしくは土砂崩れにより、地形のアップダウンが激しくなってきた。中には路盤跡そのものに小沢が流れ込んで、そこが新しい流れを形成しつつあった。
 藪との相乗効果で、結構ハードな行程になってきたのを感じていた。











 ふとその流れの先に目をやると…すげーワサビ。でも多分採って喰ってもそうたいしたもんじゃあない。山ワサビはなかなか根が大きくならないので、葉ワサビの方がうまいかも。
















 そして、再び軌道跡が沢で分断された場所で、ようやくレールが出現。
 ここまで来て、危険箇所はほとんどない。まぁ滑り落ちても濡れるか汚れるか、そんなもんで終わりである。
 しかし「高巻き」「沢渡りの為に沢を降りる」この繰り返しが異常に多い。
 正直、「これは新川・定義よりキツイかも…」
ちょっと嫌な予感がし始めていた。


第二回終了

第三回へ。

トップページへ
廃線メニューへ